日本の緑地面積は他の先進諸国に比較してずいぶん高い割合だそうです。平野部が少なく丘陵地の多い国土の地形が影響していますが、そのためかどうか私たちは緑とのつきあい方に工夫が少ないようにも感じます。近くに緑が豊かなために、庭としてながめるか風景として堪能するぐらいで、実際は大変手間がかかるのですが、「あるがままの状態」に近いことを大切にします。
三渓園で見かけた珍しい笹のトンネル
季節ごとの緑との関わりには春の桜、初夏の新緑、秋の紅葉、冬の樹氷?などさまざまありますが、あるがままを楽しむ心は変わりません。盆栽など生きた自然を部屋の中に飾り楽しむとか、さまざまな花などの品種改良を重ねる、また菊人形など人工的なミスマッチを楽しむ例はありますが。
海外旅行すると好き嫌いは別に緑とのさまざまなつきあい方を発見します。ヨーロッパでは特に湿気の少ない気候風土が幸いして、日本ではジメジメしがちの木陰が実に快適なスペースとなります。人工的な手を加えて緑の空間とでも呼べそうなスペースをつくりあげます。
ドイツで見かけた植物のトンネル
ベルリン新市街で見かけた巨大な芝生の丘
環境への配慮が重要度を増してきた今日、自然の要素といかに共存していくかは大切なテーマのひとつです。そこにも地域性や国民性が表れるのでしょうが、自分たちが無理なく楽しめることが基本でしょう。塚本正司著「私たちは本当に自然が好きか」という本を読むと、もっと意識して私たちと緑、自然とのつきあい方を考える必要性を強く感じます。時流に乗った安易な植物の利用を良く見かけますが、緑とのつきあいは決して楽ではなく、生き物だからほっとくと私たちの都合どおりにはいかないことも心したいです。(ht)
楽しいパピーはアーティストの作品
ミュンヘンのギャレリー