真ん中リビング案
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対象とした部屋はコンクリート壁式構造の集合住宅の一室で、構造の薄い壁や梁が室内を細かく区切っていることが特徴です。それらは既存の間取りに合わせて入っていて、目立たないように隠されていました。でも、そのコンクリート壁や梁は実は魅力的なもので室内のスケールにも適しています。
そこで私たちはまず中央に広いスペースを囲いとり、それを取り巻くスペースと分けてリビングとしました。ここでは既存のコンクリート壁や梁が部屋を周囲との関係で小さなコーナーに分け、一面にゆったりと長く設けられたソファーが統一感をもたらします。新しい壁には両面に素材感のある木材を張ります。木製の開口を開けると隣接する室とさまざまに関係がとれる工夫をしています。ここにはあまりものを置かずに木やコンクリートの素材感、ゆったりとした広さや特徴ある小さなコーナーを楽しむことを意図しました。周りにはダイニングキッチン、水廻りの他に2室あります。ひとつは机の上にベッドスペースがあり書斎や子供室等に、もうひとつは畳床の上一部に押入があり寝室等として利用できます。これらはいずれも断面を工夫することで効率的で快適な暮らしを確保しています。バルコニーには一部ウッドデッキを張り、リビングの延長としてしつらえました。植木を育てたり、団地内の豊かな自然環境を楽しむ場としています。ぜひ、実際に模型を見て確かめてください。(ht)