パリー街かどの壁面ー
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前回ご紹介した鉄骨の教会はモンパルナス駅近くの再開発地区に建っていて、近くにはボフィルが設計した、できたばかりの集合住宅がありました。周りでは古い建物が壊されている最中で、切り取られた壁面があらわになった場面にも出くわしました。
パリで見かけた壁面に、部屋単位でさまざまな壁紙が残る光景は、そこに暮らしていた人々を想像させますが、それ以上に何かのアート作品を見るような、無作為の美を見るような思いがします。
「WALLS」という写真集は、まさにそのような壁面だけを世界中から採集してまとめたものです。アメリカなどでは商品広告が描かれるものが多いようですが、同じ図柄の広告が時間の経過や敷地条件の差によって異なった表情を帯びてきます。ヨーロッパの例では撤去された建物の痕跡が記録されたものが多く、暖炉の黒々とした煙道がくっきりと残っていたり、さまざまな壁紙パターンが部屋ごとに記録されていたりと、そこに刻印された人々のいとなみが見られます。
壁と言う事で、以前ベルリンの友人宅を訪ねた時の事を思い出しました。
配線工事か何かでレンガの壁を派手に削っていて、あんな事をして構造的に問題無いの?、と尋ねたら、壁は十分厚いので10cmや20cm削っても全く問題無い、と言う答えでした。
さて、年末に頂いたコーヒー、美味しかったです。また、伺いたいです。