歴史の堆積した街ローマと仮構の街エウル
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ローマは唯一、紀元前から現在に至るまで多くの人々が集まり活動する中心的な都市であり続けていて、街はまさに歴史が地層として堆積した上に成り立っています。だから、ローマ観光はどうしても遺跡やそれぞれの時代を代表する建物などを巡ることになります。私たちも同様でしたが、辟易したことはローマの都市域が想像以上に広いことと、道路が狭いわりに自動車が多いこと、また、これが一番残念だったことですが、多くの大理石の建物が排気ガスのために?黒く汚れていたことでした。今の街路風景をネットでみるとそれほどではないですが、当時はまだ、世界中どこでも環境問題に対する意識が今日ほど高くなかったので、本当に街全体が黒ずんでいました。ローマは交通量が多く、街が狭く錯綜しているので、特にひどかったのだと思います。旅の疲れが出ていたこともあり、スライドを見返してみると本当に少しの建物しか訪れていません。
そんな中で驚くほど感動したのはボッロミーニ設計のサン・カルロ教会堂です。細い道路を車に気を付けながらやっとたどり着いた建物外観は予想したように黒く汚れていました。がっかりしながらも内部に入って薄暗い中で天井を見上げたときの驚きと感動は・・・。スライドを見ると、空間のしっとりとした質量のようなものを感じながら、その重量感を天井からの光が少しずつ解放しているような印象です。
他にもコロッセオやバティカン大聖堂など行きましたがあまり印象には残っていません。コロッセオの舞台装置としての地下空間のすごさ、住み着いた野良猫の多さにはちょっと驚きましたが・・・。
少し街外れの小さな神殿には特殊な円形の平面に惹かれて訪れました。エルコレ・ヴィンチィトーレ神殿と言うそうです。ローマ時代は多くの公共的な施設でさえも皇帝などの個人的な出資により建てられたそうで、死後の世界などを信じていなかった古代ローマの人々は、自分が私財を投じた建物に自身の名を刻むことで、後世に存在を残すことが重要だったようです。アッピア街道やカラカラ浴場は有名な例ですが、この神殿もBC2世紀にひとりの軍人により建てられたそうです。
ただ色々と正体不明な人が多く、ニューヨークのように怖い街だと感じました。
コモはすごく良い街で暮し易そうだと思いました。