熊本視察
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先日、熊本県職員のご好意による案内で仮設住宅や被災地を巡ってきました。
震災発生後、すでに9ヶ月が過ぎようとしていますが、被災現場の南阿蘇の東海大学周辺では被災したままの建物が多く残り、地割れや段差が道を寸断して、復旧工事の行われている場面に出くわします。
益城町では曲がりくねった細い道に建物が密集している箇所が多く、重機が入りやすい部分を先に、半数程度の撤去が終わっていて、残りが手付かずのままというような状況でした。
しかし、仮設住宅地では、人々は概して明るく、建築家の伊東豊雄さんやアートポリスメンバー、その他多くの人々の協力によって、住棟配置に余裕をもたせたり、「みんなの家」を適切に配することで、生活に少しだけ余裕の感じられるものになっていました。
「みんなの家」の表札には地元高校生の協力があったり、益城中学校の吹奏楽部が全国一位になって地元を元気づけたりなど、みんなで仮設住宅の生活を支えようという意欲が見られます。自分たちの住戸廻りを住み良いようにカスタマイズしたり、路地に面した部分に趣味の植木鉢を飾ってみたりなど、住民自らの生活環境に対する積極的な関わりも見られました。
神社では初詣の人々も多く、被災した阿蘇神社にも大勢の人々が訪れていました。
新たな年を迎え、気持ちをリセットし直して、前向きに状況に対応していってほしいものです。(ht)