オープンハウス
|
最初の住宅は、ワークステーションOBの星裕一郎さん(星設計室)の「やはぎのいえ」です。
一日に3軒もまわる予定だったので、11時のオープンハウス開始と同時に伺いました。外観はシンプルな家型をしており、縦長な玄関扉から入ります。

外観の特徴にもなっている家型が内部空間のいたるところで感じられる構成で、かつ各室の天井高が違うことにより質の違う様々な空間ができあがっていました。
気になった部分は、2階部分のラワン合板+塗料仕上げのフリースペースです。ここには大きな机(模型が乗っている部分)があり、子供さんが勉強したり旦那さんが作業したりと、机を通して家族が繋がることが出来るスペースとなっていていました。
またそれとは逆に、1階から2階に上がる階段途中に天井高1.4m以下にした畳の空間は、昼寝や読書などひとりになれる場所もあったりと興味深かったです。
スタディ模型も展示してあり、どのような流れでこの形体に至ったのかなどスタッフの方が説明してくださりとてもわかり易かったです。


2軒目は、Timberizeチームでもあるスタジオ・クハラ・ヤギの「Y-house」です。
半年前からもう住まれているそうで、既に家具などがは入っている状態での見学でした。二世帯住宅、地下1階から1階はRC構造で、2~3階建が木造(集成材ラーメン構造)の準耐火建築物です。道路側のファサードは、構造にもなっているランダムに組まれた格子(LATTICE)が見ることができ、デザインとしても特徴的です。


LATTICEを間近でみると、木材を噛み合わせて固定しているだけというのがよくわかります。この材によって、地震力や風力の水平方向の力に耐えることができるとのことでした。
また、構造を担当した方が偶然にも居合わせており、この木材のランダムな配置を少しでも変更すると、その度に構造計算をやり直す必要があったなど、いろいろなお話を伺うことができました。
内部空間は屋上までスキップフロアになっているため、ダイニングからリビングや屋上を見ることが可能で、各部屋がゆるやかに繋がる空間体験は居心地が良かったです。

最後は、納谷建築設計事務所の「荻窪の住宅」です。
訪れたときには、もう日が暮れそうな時刻となっていました。

旗竿の比較的広い敷地に、中庭を取り囲むように建物やウッドデッキを配置。どこにいても中庭が感じられる空間構成となっており、さらにそのフロアレベルを変化させることによって、各部屋とも緩やかに視線などの繋がりがもてるようになっていました。また、ウッドデッキはGLから1.5m程度上の部分にあり、そこに座って庭を見たりと、気持ちの良さそうな空間となっていました。


大きな根太の間に、光源があるため、間接光のようになっていました。できれば太陽光の下で建物を見たかったのですが、日が暮れていたおかげか、こういった細かなディテールに気づくことが出来ました。

一日で3軒まわると、それぞれのディテールの作り方や素材の使い方などの違いを比較しながら見ることができ、とても興味深かったです。住宅建築は、オープンハウスのような場がなければなかなか拝見することができませんので、また機会があればどんどん足を運びたいと思います。
(スタッフns)