2016年 06月 29日
金沢海みらい図書館
|
先日、金沢へ行く機会があり、シーラカンスK&H設計の金沢海みらい図書館を訪れることができました。金沢海みらい図書館は街の中心部から少し離れたところにあり、主幹道路と住宅地に囲まれています。写真で見る限り、住宅地に対してボリュームが大きくないのだろうか?と思っていたのですが、実際に行ってみると、道~図書館、図書館~住宅地の間に緩く勾配のついた緑地などが上手くバッファゾーンとして機能しており、圧迫感を感じない建ち方となっていました。
1階の児童図書コーナーは、格子天井と自然光あふれる明るい空間となっていて、壁の一部にさりげなく掲示板となる仕掛けがあるなど、さすが学校建築を多く手掛けられている設計者らしい楽しい空間でした。
壁の一部がスチールパネルとなっていて、ガイドが引かれていて掲示しやすそう
2階へ上がると、今までと大きく空間の質が変わり、ぱっと目に飛び込むのは、たくさんの丸い光が空間全体を淡く照らす白い壁面です。
この壁面は「パンチングウォール」と呼ばれるそうですが、外壁側はGRC、内側はt3.2のスチールパネルで菱目格子状のブレースを挟んでおり、耐震要素として水平力を負担しているようです。閲覧室の大空間にある柱は直径300mmでしたが、鉛直力のみ負担するということで壁と切り離して細く見せているところも軽やかな印象を受けました。外部と隔絶された静謐な光の中で本に集中しよう、と思えるような空間でした。
壁から独立して本棚が置かれている
壁に沿った閲覧デスクとタスク照明
少し前にぎふメディアコスモスへも足を運びましたが、木の曲面で柔らかく覆われた親しみある空間とは趣が異なり、色々な部分で比較できたことがおもしろかったです。
(スタッフrs)
by wstn
| 2016-06-29 11:20
| rs
|
Comments(0)