2015年 11月 13日
ドイツミュージアム
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数年前、ドイツを周ったときにミュンヘンで宿泊先のホテル近くにあったドイツミュージアムを訪れました。私たちはドイツでの最終日、空港へ向かう前の時間つぶし的な感覚で訪れたのですが、そこでドイツの人々の、産業技術の歴史を継承する真摯な態度を経験することになりました。まず、最初の部屋で驚いたことは現物展示の量の多さで、小型の船や飛行機などが所狭しと並べられています。
例えば「空を飛ぶ」というテーマで技術の発展を考えたいと思えば、はじまりの凧や気球からグライダー、プロペラ機、ジェット機、ロケットなどの現物またはレプリカの実物大をそこに見つけることができます。中のエンジンなどもちゃんと見られます。模型やパネル展示もあったのでしょうが、何よりも実物を脚色無く展示することを主眼にしているようです。必要な知識は書物でも得られるからでしょうか。
私たちの専門の建築や土木の分野ではどうだろうか?と、そのコーナーに行ってまた感心してしまいました。さすがに現物というわけにはいきませんが、精巧な模型が並んでいます。感心したことは、完成形だけを展示するのではなく、施工の過程ごとに例えばひとつの橋だと、基礎の段階からはじまって、仮設の支えが建設され、それを支えに本体の橋が出来上がる様子などがわかりやすい模型で表現されています。それぞれの現場でどのような作業が行われているかも機械や人形の配置でわかります。
また、RC構造であれば内部の鉄筋の様子やケーブルの入り方の美しさ?までが良くわかるようになっています。
鉄筋のようすがわかる模型
内部のケーブルを表現した模型
この博物館では小学生程度の子どもたちの授業風景にも会いましたが、日本のようにわかりやすそうに漫画やイラストでおもしろおかしく表現するのではなく、本気の本物をそのまま投げ出すように展示してあるだけです。あとは説明する先生方の工夫に任されているのでしょうが、その方がリアルなものがもつ迫力や力の流れの美しさなどを感じることができるように思います。
国民性の違いと言ってしまえば簡単ですが、ドイツで電車に乗るときなど、短いアナウンスの後、開いたドアがいきなり鋭い勢いで締まってくるのが怖いです。ところが、その後に日本の電車で、やたら多いアナウンスや大きなベルの音、何回も開け閉めされるドアを経験すると、どちらが良いのか考えてしまいます。ドイツの方が人々の良識を信用していて、それに応えるように人々も振舞っているようにも感じます。
ドイツミュージアムはやたらと広く、技術の分野は様々に広がっていたのでとても半日で回ることは不可能でしたが、密度のやたらと濃い時間をすごした気分で満足して帰ったのでした。また、いつか行ってみたいところです。(ht)
クリスタルパレスの模型、実物が見たくなります
by wstn
| 2015-11-13 16:05
| ht
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Comments(3)
成る程興味深いですね。
私も台所用品で似たような感想を持った事が有ります。
なお、昔の神奈川県立青少年センターには科学についてのかなり硬派な展示が有りました。
私も台所用品で似たような感想を持った事が有ります。
なお、昔の神奈川県立青少年センターには科学についてのかなり硬派な展示が有りました。
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wstn at 2015-12-02 11:00
いつもコメントありがとうございます。
しかし、県立青少年センターにそんなものがあったとは・・・。それを知っている人にも驚きです(ht)。
しかし、県立青少年センターにそんなものがあったとは・・・。それを知っている人にも驚きです(ht)。
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msak@h5.dion.ne
at 2015-12-11 12:29
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透明なアクリルの板に照明が当たっていて、力を加えると光で歪の状態が解る展示など、結構すごかったです。